以前までは、暴力的なテレビゲームは性格面で悪影響を与えるという説が有力でしたが、ここ最近の研究では暴力的なテレビゲームは別に悪影響は与えないというデータが増えてきています。
今回発表された最新の研究論文ではテレビゲームは集中力と記憶力を高めるのに良いものであるという結論になっていましたので、ご紹介していきます。
今回はカタルーニャ大学の研究で、過去に発表された「ゲームと脳」に関するデータ116件をまとめた系統的レビューになっています。
今回の研究の信頼度はかなり高めと言えます。
早速、結論ですが研究では、テレビゲームにより集中力と記憶力は上がるということが分かりました。
テレビゲームをすることで脳の構造と機能が変わることが分かりました。
今回の研究結果から、テレビゲームはプレイヤーの脳に何かしら影響を与えていることが分かりました。
実際にはテレビゲームのメリットは以下の4つがありました。
①集中力を継続する力がアップ
②選択的注意もアップ
③空間的視覚能力もアップ
④海馬が大きくなる
用語を補足しておきますと、
選択的注意とは、沢山ある情報の中から特定のものに集中する能力のことです。
空間的視覚能力とは、3D空間の中で物体の位置を把握する能力のことです。
海馬は脳の記憶と学習を担当している場所のことです。
テレビゲームには様々なメリットがあることが判明したわけですが、とりわけストレスが大きい状況でも、集中することが出来るというのが最大のメリットですね。
テレビゲームをすると集中力と記憶力が高まるので、学生や資格取得に向けて頑張っている人には朗報ですね。
しかし、テレビゲームにもデメリットはありました。
デメリットは以下の2つです。
①脳の報酬システムが変化し、中毒症状と似た状態になる
②外部刺激に反応しやすくなり、報酬に弱くなる
要は多くのゲームはユーザーを飽きさせないために定期的に報酬が与えられる仕組みになっています。
そして報酬が与えられることで、脳の報酬システムをおかしくさせ、中毒症状を引き起こさせているのです。
特に人気のゲームは最高のタイミングで報酬が与えられるように設計されています。
お宝アイテムをゲットしたり、ステージクリアできるように設計されているわけです。
このような報酬により脳が中毒症状を引き起こしていきます。
なので、テレビゲームのやり過ぎは気を付ける必要があります。
最後にまとめます。
テレビゲームは集中力を高め、脳の機能を高めてくれます。
しかし、目先の欲望に弱くなり、中毒症状を引き起こします。
ということで、テレビゲームのメリットだけをうまく得ることが難しくなっています。
ちなみに、人生の成功には脳の機能を高めるよりも、セルフコントロール出来るようになった方が良いとされていますので、中毒症状を引き起こしてしまうテレビゲームは本当に良いのか悪いかは実際はまだよくわかりません。
とはいえ、テレビゲームによる脳機能の向上と集中力アップは魅力的ですから、現状としてはテレビゲームは時間を決めた上で行うのがベターと考えるべきでしょう。