検索練習の定義は有名教育者のダグ・レモフ氏によると以下の通りです。
https://www.amazon.co.jp/Teach-Like-Champion-Doug-Lemov/dp/1119712610
検索練習とは、身につけたいスキル(ピアノを弾く、計算をする)および知識(歴史の年号、公式、語彙)を忘れかけた頃に意図的に思い出すことです。
そのため、検索練習を行う際は、スキルや知識を学んでから少しの時間を置かないといけません。
少し忘れかけた頃に頭を使うのが検索練習の特徴であるということですね。
さらにアガーウォール博士の2018年研究では、以下の定義も紹介していました。
https://scholar.google.com/citations?user=tzAC6hMAAAAJ&hl=en
・以前に学んだスキルや知識を再現するために、あえて記憶に負担をかけること
・脳の奥まで記憶を探り、そこに保存されている知識を掘り返すこと
・「結果を評価されるプレッシャー」を感じずに、学習したことを思い出すこと
・単に情報を取り込むのではなく、積極的に記憶から知識を作り出すこと
ちなみに検索練習でプレッシャーを感じてはいけないというのは結構重要なことです。
この知識を思い出せなかったらアウト!みたいな状況だと検索練習の効果は出づらくなっています。
例えば学校の小テストなどは検索練習の効果は下がる可能性が高いと言えます。
但し、小テストが無駄というわけではありません。
検索練習は記憶に最適なのかどうか
検索練習は長期記憶の改善には当然役に立ちます。
最強学習テクニックと称賛される検索練習は記憶向上以外にもさまざまな効果があります。
具体的には、検索練習の生みの親であるヘンリー・ローディガー博士
https://psycnet.apa.org/record/2011-17503-001
が10個のメリットをまとめていますので紹介いたします。
1️⃣学んだ内容が長期的に頭に残る能力が上がる
2️⃣高次の思考力を高め、学んだ知識が他のことにも応用出来るようになる
3️⃣自分は今何がわからないのか?を認識出来るため、学習効率が上がる
4️⃣メタ認知の能力が高まり、自分自身の学習意識を高める
5️⃣学習へのモチベーションと注意力を高める
6️⃣勉強以外の場面でも効果的な学習戦略を使えるようになる
7️⃣学習の事前準備が上手くなる
8️⃣頭の中だけで知識を整理ができるようになるので、ワーキングメモリが改善する
9️⃣関連する情報の学習量が増え、応用知識として発展出来るようになる
🔟自分に役立たない情報の選別がうまくなり、未来の学習スピードを向上させる
特に「メタ認知の改善」と「ワーキングメモリーの改善」は人生をうまくやるための二大能力なので、非常に重要です。
メタ認知とワーキングメモリーが改善すると、以下のメリットが生じます。
1️⃣学んだ情報を理解する力が高まる
2️⃣難しい問題を分析する能力も身に付く
3️⃣身につけた知識を他の分野に応用する能力も高まる
4️⃣信頼に足る情報を見抜く能力が高まる
5️⃣知識と知識を結びつけて新しいものを創造できる
ここまでの効果が見込めるのであれば、検索練習は人生を変えてくれるとまで言えるかもしれません。
間違いなく身につけておくべきテクニックですので、検索練習をマスターするようにしましょう。