前提知識
あなたは10代の時にどれくらい恋愛を経験してきましたか?
何度も恋愛をしてきたという人もいれば、1回もしていないという人もいるでしょう。
10代のうちに恋愛をしていないとなると、周りから非難されることがあります。
実際「何か性格や人柄に問題があるから恋愛ができない」と昔から言い続けられています。
恋愛経験がないからといって、人格に問題があると言われてしまえば、なんだか腑に落ちない話ですよね。
そこで今回、ジョージア大学で行われた研究では、「10代で恋愛経験がないからといって人格に問題があるとは限らない」という結果が判明しました。
研究内容
ジョージア大学で「Healthy Teens Longitudial Study」という研究が行われ、統計データが取られました。
今回の研究は高校2年生594人を対象にされています。
研究目的としては、
10代で恋愛体験が少ない人は何か問題があるのか
恋愛経験が多い人と少ない人でどのような違いがあるのか
という2つです。
具体的に以下の内容で研究が行われました。
2003年から2009年まで対象となった生徒を追跡し、定期的に「異性との交流」に関するインタビューをしていきます。
対象となる生徒だけで、生徒の教師に対してもインタビューを行い、対象生徒の行動やメンタルの状態などを詳しくチェックしています。
しかし、なぜ研究チームはこのような調査をしたのでしょうか?
10代で恋愛を経験しなければ、社会に適応できないのかということに疑問を感じたからです。
恋愛を経験しないことで社会に適応できないかどうかを確かめるためにこの研究が行われました。
以下のグループに分けて研究が行われました。
1、交際しないグループ
全体の16%を占める
過去7年のうち、1.1回のみしかデートをしていない
2,交際が増えたグループ
全体の24%を占める
年齢を重ねるにつれ、デートの回数が増えた
3、交際が減ったグループ
全体の22%を占める
中学校以降、デートの回数が減った
4,交際が多いグループ
全体の38%を占める
交際相手がいるかの質問に毎回「YES」と答えている
研究結果
全学生とのコミュニケーション力や幸福度を比べたところ、以下のような傾向が見られました。
コミュニケーションスキルやリーダー力が高かったのは恋愛経験が少ない人
恋愛経験が豊富な人はネガティブな感情を持つことも少なく、抑うつのスコアも低かった
研究結果を見てわかるとおり、コミュニケーション力や精神力が養われているのは意外にも恋愛経験が少ない人でした。
この結果に驚く人も多いことでしょう。
この研究結果をもとに、研究チームは以下のような見解を出しました。
・10代で恋愛経験をしなくても社会でうまくやっていけている
・恋愛を多く経験している若者はうつ病を発症しやすい
・青年期の自殺の多くの理由は特定のパートナーとの破局
・恋愛経験がなくても社会的能力がかけているとは言えない
・それぞれ自分でライフスタイルの選択をしている
交際をしていなくても社会に適応してうまくやっているとのこと。
恋愛経験がないからといって相手を馬鹿にするのは間違っているということですね。
恋愛はうまくやっていけていれば幸福度を高く出来ますが、トラブルが起きてしまえば幸福度が一気に下がってしまいます。
破局してしまった場合、最悪うつ病の症状が出てしまう可能性もあります。
恋愛をすることで幸福度の上昇や低下に大きく影響を与えてしまうということですね。
その分、恋愛経験をしていない人は幸福度の高低差が少なく、うつ病の症状を引き起こしてしまう可能性も少ないということになります。
総じて言えば、交際がないからといって人格に問題があるわけではないということを語っています。
もちろん恋愛がきっかけで学ぶこともありますが、恋愛経験が少なくても自分たちで選択し、行動することで学べることもあります。
まとめ
10代で恋愛経験がないからといって何か人格や行動に問題があるわけではありません。
しかし、現代ではまだ恋愛経験がない人に対して偏見を持っている一面があります。
そのような偏見を気にしすぎるのではなく、自分を信じて行動してみることが重要です。
自分で選択し行動することで、「10代で恋愛を経験しなくても社会に対応できる」と行動で伝えられるようになるでしょう。